2009年08月11日

プラスの戦い、マイナスの戦い

あるライターはサッカーの各年代別代表の試合を、「プラスの戦い」と表現していました。
特にU-20以下になると世界のサッカークラブのスカウト合戦となります。それだけが理由ではないですが、U-20などは自分が認められたい、アピールしたいということで相手の特徴を消すサッカーではなく、自分たちが一番輝くサッカーをするわけです。
さらにU-17やそれ以下の年代は、育成という観念からそれ以上に自分たちの長所を出そうとするサッカーをします。
ゆえに「プラスの戦い」です。

しかしA代表、さらにW杯のような国をあげての総力戦になるとその様相は一変します。負けないサッカー、勝つために相手の長所を消すサッカーをするわけです。
ゆえに「マイナスの戦い」。
0-0でもよしとするサッカー。リアクションサッカーなどはその典型と言っていいでしょう。

なぜこんなことを書き出したか。

JSCのコーチをしている辛島啓珠という人は「マイナスのサッカー」を志向する人だと捉えています。
まずは守備から入り、少ないチャンスでゴールに迫るベースはカウンターサッカーだと思います。
彼はそのやり方で2度北信越リーグを制しました。
吉澤という監督は、自分たちのサッカーをする、という「プラスのサッカー」を目指している人だと思います。
パルセイロのバドゥもこのタイプでしょう。

個人的に北信越リーグという試合数も少ないリーグ戦においては、「マイナスのサッカー」のほうが有効な気がしている。
辛島監督が3年の間に2回も制したこと、先制点を取った試合が上位4強中でもっとも多い11試合だったことを考えても、やはり北信越リーグの戦いにはマイナスのサッカーが向いていると思う。

ただ、これから行われる全社、天皇杯はすべてノックアウト方式。
去年はトーナメントの試合になり、徐々に調子を取り戻した松本山雅FC。
すべて格上との対戦と考え、常にチャレンジャーの姿勢で臨めば、「プラスのサッカー」が機能する可能性は十分にある。

全国大会の切符のために、まず北信越の大会を勝ち抜かないといけない。
3日連続の戦いだが、2勝が最低ライン。
JFLの道を閉ざさないためにも、チャレンジャーの姿勢で試合に臨んでほしい。



同じカテゴリー(松本山雅FC)の記事画像
サポーターズソング
地域決勝を振り返って
決戦前夜
恐怖と戦う
ふたたび、緑の壁
史上最大のアップセット【観戦記】
同じカテゴリー(松本山雅FC)の記事
 サポーターズソング (2010-06-17 01:04)
 産みの苦しみ【観戦記】 (2010-03-24 01:53)
 巡り合わせ (2010-03-15 01:08)
 JFL開幕戦 (2010-01-20 01:16)
 2010年のボランティアを募集中 (2010-01-09 21:23)
 JFL元年 (2010-01-01 22:43)

Posted by scrumhalf at 23:53│Comments(2)松本山雅FC


この記事へのコメント
JSC戦の敗戦がいつも後味悪いのは、彼らがそういうサッカーをしてるからなんでしょうね。
スカウティングなどの面で他チームよりアドバンテージがある(?)からか、辛島以前からチームとしてそういうカラーを持ってる気がします。
Posted by ff at 2009年08月12日 01:11
辛島さんは山雅時代も積極的に情報集めている印象はありましたね。
JSCと辛島さんがうまく合致したのかもしれませんね。

ちなみにトーナメントの試合でJSCには負けてないんですけどね。
Posted by scrumhalf at 2009年08月12日 23:18
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。