2009年10月13日

史上最大のアップセット【観戦記】

「浦和のみなさん」の挑発で始まったこの試合。
それでも会場にはまだ不穏な空気はなかったのだが、試合が始まると状況は一変する。

試合は浦和がボールを支配し、山雅がカウンターを繰り出す去年の天皇杯湘南戦のような展開。
昨年の神戸戦のようにあくまで自分たちのサッカーをしようという感じではなく、翌週に大事な試合を控えていること、また地元で大敗だけはしたくないと考えたのか、ラインの設定自体は低かった。
いつもならボールをカットしてオーバーラップしそうな場面でも、鐡戸や阿部のサイドバックは上がりを控えていたように思う。

守備ではボールホルダーに少しでも体をぶつけることで、攻撃を遅らせることに成功。
いい体制でシュートを打たせないことで狙い通りの試合展開に持ち込めた。

そして、ロングボールをDFの裏に抜けた柿本がダイレクトでループシュート。きれいに決まり1-0。
これで形になった、としかくらいにしか思わなかったのだが…。
僕の周りでも「入っちゃったよ」という発言もあったくらいで、この時点で勝つと思ったサポーターも少なかったのではないか。
このあと攻めまくる浦和だが、シュートが枠に行かず1-0の前半。

後半も構図は変わらない。
しかし山雅のカウンターが効果的だったので、浦和DFの押し上げ少し足りなかったように感じた。
際どいシュートをしのぎにしのいだ後半27分。
ボールを奪った鐡戸に誰もチェックに行かずズルズルと下がる浦和DF。鐡戸は今井へ。
そして一発フェイントで原口を抜き去り、クロス。これで勝負あり。スーパーサブの本領発揮。
あわてた浦和のクリアミスを阿部が左足を振りぬき勝ち越し。
さすがにこの日の浦和は2点を奪える攻撃の形ではなく、今度の今度こそ勝利を確信。

あとは焦る浦和のシュートを原が抑えて、史上最大のアップセットは完了した。
J1チームが地域リーグ敗戦は史上初。

歓喜に沸く山雅と対照的に怒号の浦和。
居残りというものを生で見る日が来ると思わなかった。
話をしているのは信藤TD。その息子は山雅のGK。
この日を象徴するような皮肉な試合後の風景だった。

史上最大のアップセット【観戦記】

第89回 天皇杯全日本サッカー選手権大会 2回戦
松本山雅FC 2-0 浦和レッズ
2009.10.11 at Alwin(14,494人)



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Posted by scrumhalf at 07:38│Comments(0)松本山雅FC


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