2002年06月12日
大逆転
大逆転のための応援は前日から始めていた。ドイツを応援していた。
パラグアイがグループリーグを突破するためには、スロベニアに勝つだけでなく同時進行のスペイン対南アフリカでスペインが勝つことが最低条件であった。南アフリカに敗戦すれば2位通過の可能性もあるスペインが勝ちにくるためにはドイツが1位通過してほしい。
決勝トーナメントの相手となるE組1位がドイツなら、スペインは勝ちにくるのではないかとふんでいた。スペインのサッカーを考えて、最初から引き分け以下を狙うことはないとわかってはいたが、より可能性を探るならE組1位はドイツがいいだろうと考えていた。そしてカメルーンに勝ったドイツは1位通過を決めた。
パラグアイには上の条件のほかにも、得失点差をひっくり返さなければ突破はなかった。したがって最低2点差が必要だろうというのが試合前の予想。そんな思いとは裏腹に試合はスロベニアペース。初戦でスペイン相手に内容的に互角以上のサッカーをしたスロベニアは甘くはなく、退場者を出した上に先生を許す。この時点でスペインが先制したことはわかっていたので、この段階ではスペインが2点差をつけてくれることを願うという、本当に他力本願な突破を望んでいた人が多かった。
しかし南アフリカ同点。落胆が広がる。
その後、スペインが勝ち越し。やはりスペインへの肩入れが強くなる。スペインが2点差をつけて、パラグアイが逆転するというシナリオしかないと思い始める。しかし2試合とも後半大きく動く。これだからリーグ戦は面白い。
後半、南アフリカが追いつく。2−2。この時点ではあきらめが強くなっていた。スペインは引き分けでも1位通過である。当然南アフリカも引き分けで突破。それほど試合が大きく動くとは考えにくかった。しかし程なくスペイン勝ち越し。ラウールがこの日2点目。パラグアイにとっての救世主の一人は間違いなくラウールだった。
その頃西帰浦では、腰の重いイタリア人監督が選手交代を行っていた。カルドソOUT、クエバスIN。解説の高木琢也に「カルドソはいい選手なので、替えるのはどうですかね〜」と言ったこの交代がゲームの流れを180度変える。まずクエバスが同点ゴール。いままであまりパラグアイで見られなかった、前線でのドリブルの仕掛けからだった。さらにやはり途中交代のカンポスが勝ち越しゴールをスロベニアゴールを陥れる。逆転。
この時点でスペイン3−2南アフリカ。パラグアイ2−1スロベニア。
このまま行くと勝ち点9のスペインは問題なく1位。勝ち点4で並ぶ南アフリカとパラグアイだが、得失点で1南アフリカが上回る。しかしパラグアイに1点入ると得失点差で並び、総得点で1上回る。スペインがもう1点加えた場合は、総得点まで並びパラグアイVS南アフリカがドローのため抽選にもつれこむ。試合途中でいろいろなケースが頭で想定される。すっきりするのはパラグアイが2点差つけるケースだ。
そんなことを考えているうちに、再びクエバスがドリブルを開始する。右サイドから徐々に中に切れ込んでいったクエバスは左足でシュート。クロスバーにあたったボールはそのままインゴールへ。貴重な貴重な3点目がパラグアイに入る。このままいけば実際には苦しいかもと思っていた逆転の突破が実現する。数人と総得点で上回っていることを確認してあとは試合終了までは試合が動かないようにと祈るだけだ。
まずはパラグアイ対スロベニアが3−1のまま終了。当然マン・オブ・ザ・マッチはクエバス。途中出場で攻撃のリズムを変え2得点。総得点の争いになっただけにクエバスは大仕事をやってのけた。
すぐさまスペイン対南アフリカが終了。結局3−2。なんとも言えない南アフリカの選手の表情が印象的だった。総得点差1。釜山のパラグアイ戦で追いついた終了間際のPKは、とてつもなく大きいゴールだと思っていた。対戦順などを考えて、パラグアイにとってかなり痛手となったはずのPKは、ラウールの決定力とクエバスの若さによって吹き飛んでしまった。
2試合両方で終了後喜びを表し、総得点での逆転というめったにない逆転劇。キャンプ地という立場で得た、もうひとつのホームチームは、日本とはまた違った感動を残してくれた。
2002 FIFA World Cup KOREA/JAPAN™ GROUP B
パラグアイ 3-1 スロベニア
2002.6.12 at Jeju World Cup Stadium
パラグアイがグループリーグを突破するためには、スロベニアに勝つだけでなく同時進行のスペイン対南アフリカでスペインが勝つことが最低条件であった。南アフリカに敗戦すれば2位通過の可能性もあるスペインが勝ちにくるためにはドイツが1位通過してほしい。
決勝トーナメントの相手となるE組1位がドイツなら、スペインは勝ちにくるのではないかとふんでいた。スペインのサッカーを考えて、最初から引き分け以下を狙うことはないとわかってはいたが、より可能性を探るならE組1位はドイツがいいだろうと考えていた。そしてカメルーンに勝ったドイツは1位通過を決めた。
パラグアイには上の条件のほかにも、得失点差をひっくり返さなければ突破はなかった。したがって最低2点差が必要だろうというのが試合前の予想。そんな思いとは裏腹に試合はスロベニアペース。初戦でスペイン相手に内容的に互角以上のサッカーをしたスロベニアは甘くはなく、退場者を出した上に先生を許す。この時点でスペインが先制したことはわかっていたので、この段階ではスペインが2点差をつけてくれることを願うという、本当に他力本願な突破を望んでいた人が多かった。
しかし南アフリカ同点。落胆が広がる。
その後、スペインが勝ち越し。やはりスペインへの肩入れが強くなる。スペインが2点差をつけて、パラグアイが逆転するというシナリオしかないと思い始める。しかし2試合とも後半大きく動く。これだからリーグ戦は面白い。
後半、南アフリカが追いつく。2−2。この時点ではあきらめが強くなっていた。スペインは引き分けでも1位通過である。当然南アフリカも引き分けで突破。それほど試合が大きく動くとは考えにくかった。しかし程なくスペイン勝ち越し。ラウールがこの日2点目。パラグアイにとっての救世主の一人は間違いなくラウールだった。
その頃西帰浦では、腰の重いイタリア人監督が選手交代を行っていた。カルドソOUT、クエバスIN。解説の高木琢也に「カルドソはいい選手なので、替えるのはどうですかね〜」と言ったこの交代がゲームの流れを180度変える。まずクエバスが同点ゴール。いままであまりパラグアイで見られなかった、前線でのドリブルの仕掛けからだった。さらにやはり途中交代のカンポスが勝ち越しゴールをスロベニアゴールを陥れる。逆転。
この時点でスペイン3−2南アフリカ。パラグアイ2−1スロベニア。
このまま行くと勝ち点9のスペインは問題なく1位。勝ち点4で並ぶ南アフリカとパラグアイだが、得失点で1南アフリカが上回る。しかしパラグアイに1点入ると得失点差で並び、総得点で1上回る。スペインがもう1点加えた場合は、総得点まで並びパラグアイVS南アフリカがドローのため抽選にもつれこむ。試合途中でいろいろなケースが頭で想定される。すっきりするのはパラグアイが2点差つけるケースだ。
そんなことを考えているうちに、再びクエバスがドリブルを開始する。右サイドから徐々に中に切れ込んでいったクエバスは左足でシュート。クロスバーにあたったボールはそのままインゴールへ。貴重な貴重な3点目がパラグアイに入る。このままいけば実際には苦しいかもと思っていた逆転の突破が実現する。数人と総得点で上回っていることを確認してあとは試合終了までは試合が動かないようにと祈るだけだ。
まずはパラグアイ対スロベニアが3−1のまま終了。当然マン・オブ・ザ・マッチはクエバス。途中出場で攻撃のリズムを変え2得点。総得点の争いになっただけにクエバスは大仕事をやってのけた。
すぐさまスペイン対南アフリカが終了。結局3−2。なんとも言えない南アフリカの選手の表情が印象的だった。総得点差1。釜山のパラグアイ戦で追いついた終了間際のPKは、とてつもなく大きいゴールだと思っていた。対戦順などを考えて、パラグアイにとってかなり痛手となったはずのPKは、ラウールの決定力とクエバスの若さによって吹き飛んでしまった。
2試合両方で終了後喜びを表し、総得点での逆転というめったにない逆転劇。キャンプ地という立場で得た、もうひとつのホームチームは、日本とはまた違った感動を残してくれた。
2002 FIFA World Cup KOREA/JAPAN™ GROUP B
パラグアイ 3-1 スロベニア
2002.6.12 at Jeju World Cup Stadium
Posted by scrumhalf at 21:17│Comments(0)
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