2008年11月11日
【YAMAGA PLAY BACK 1】
危険察知
2003.9.28 山雅SC VS 日精樹脂工業
試合から数日たった今、あの状況で危険を察知するのは無理ではなかったか、と思っている。
日精樹脂工業対山雅SC。
来期より始まる2部制を控え、1部残留をかけた下位リーグ。4チームで争う下位リーグだが、石川のオレンジモンキーがほぼ残留決定の中、3チームの熾烈な争いになっている。勝ち点5で並ぶ両チームは勝てば、かなり残留の近づく試合である。
前半はたいした見せ場もなく、ただ単に点だけが入った印象が残った。どちらかが主導権を握ったようにも見えず、2対1。日精樹脂がリードして折り返す。いつもと違うシステムで望んだ山雅の、ディフェンスの連携のもたつきが気になった。試合の流れも大きく振れることもなく、僅差の試合で終わる雰囲気を感じていたのだが、後半試合は荒れた。
きっかけはPKだった。
日精のGKがFWを倒しPKを与えた。よくある光景ではあったが、一度外したPKにやり直しが命じられた。それほど大きな動きがあったようにも見えなかった。さらに日精ホームということを考えれば、あまりやり直しを命じられるケースには思えなかった。しかも徐々に不利な判定が多くなってきたと感じていた日精の選手がこのプレーでかなりの不満を持ったことは間違いない。
そしてそらに数分後、足の裏を見せたタックルということで日精選手が一発退場をくらう。試合後の選手の感想を聞いてみても、厳しい判定であった。これで完全に日精サイドは試合への集中がそがれた。
それでもまだ試合は完全に壊れていなかった。
さらに数分後、裏に抜けた山雅選手がGKを抜きにかかったところを止められる。完全なプロフェッショナルファウル。(逆サイドだったので本当にかかったのかはわからないが)
一枚イエローカードをもらっていたが、これも一発退場。イエローをもらった最初のPKよりも怒り方は小さかった。怒るというよりあきれた態度に見えた。二人の退場者、残留争い、微妙な判定に、一方だけに入ったサポーター。いろいろな要素がすべて絡んで、この瞬間試合は完全に壊れた。
そう、完全に壊れたからこそ、普段と同じように山雅の選手に危険を察知しろというのが無理だったのでないだろうか。
結局ドローに終わる試合の同点の場面は、11対9の人数にもかかわらずあきらかに奪われ方が悪かった。そして取られた後も誰もチェックにいかず、ズルズルDF下がっていく。数的優位という状況がチェックへ行かせなかったのだと思う。これまでの試合の流れで、この時に山雅の選手には正常の危険察知の感覚がなかった。サイドのクロスにボレーシュートという、チェックの甘かったDFを嘲笑うかのような華麗なシュートに同点に追いついた。
結果論になるが、たとえ退場者を出してもこの場面はプレーを切るべきだった。たとえ一人いなくなっても数的優位な状況に変わりはない。一人でもこの場面だけは止めなくてはという選手がいたら、おそらく逃げ切れただろう。
その後人数の多い山雅はチャンスはつくるもののゴールに結びつかない。緩みかけた意識を攻撃にうつそうとはするが、あまりのふり幅の大きさに空回りになっている。積極的ではなくあせっているという言葉のほうが適切な攻撃だった。
勝ち点差で並ぶ両者の対決は、得失点で優位にたつ追いついた日精にとってややよしの結末となった。
第29回 北信越社会人サッカーリーグ 後期第2節
日精樹脂工業 3-3 山雅SC
2003.9.28 at Alwin
written at 2003.10.2
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Posted by scrumhalf at 23:36│Comments(0)
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