2009年10月09日
【YAMAGA PLAY BACK 13】
平塚に響く緑の歓喜
2008.10.12 湘南ベルマーレ VS 松本山雅FC
アップセットが起きるためには会場の雰囲気というのが大きく影響すると思っている。
天皇杯での湘南戦は会場に着くまで、松本山雅の勝利を思うまでには至っていなかった。
もちろん毎年天皇杯で番狂わせが起こっていることは承知してはいたが、まさかそれが自分のサポートしているチームで起こるとはほんのわずかな可能性として思っていなかった。
その考えが少し変わったのがバックスタンドからみたスタンドの風景だった。
開始30分くらい前にして、スタンドは湘南サポ、山雅サポほぼ半分。実際には湘南側に入って来れなかったサポーターが山雅サイドに入っていたようだが、それでもこの入りをみて少し勝利の気持ちが高まった。
今思えば不思議と仕組まれていたような試合である。
この日開催の天皇杯で唯一のナイトゲーム。サポーターを密集させるようなメインスタンドのみの開放。
あまりにもイレギュラーな要素が揃った試合だった。
ただ試合はレギュラーメンバーで臨んだ湘南ペース。
J2の次の公式戦で出場停止メンバーの除いたJ2さながらのメンバーだった。しかしこれもテスト要素が多く、実際にこの布陣は機能しなかった。それでも格の違いを見せ付けるように先制点を奪った。
やはり力の差があるのか、という思いが会場に支配されるかもと思われた直後、大西とのワンツーで抜け出した阿部琢久哉が左サイドを突破。マイナスの折り返しをフリーになっていた柿本があわせて同点。前年まで在籍していた湘南に恩返しのゴールとなった。
気落ちし掛けた時間帯の得点に選手、サポーターもまだやれるという思いに駆られただろう。
この後、チャンスは作られるもゴールを割らせず時間は過ぎていく。
ポイントは後半の湘南の選手交代の坂本の投入だろう。
投入後10分間は、一方的といっていい内容だった。シュートは打たれ、セカンドボールは拾えない状態。
それでもこの時間帯をしのいだことで、山雅も息を吹き返す。ここがキーポイント。
時折カウンターで逆襲。特に後半ボール奪った三本菅がそのままドリブルであがり、今井へ。
キーパーとの1対1を止められるも、効果的な反撃も出せたことで試合の行方はまったくわからなくなる。
1-1のまま90分が終了し、延長戦へ。
このころからスタジアムは少し異様な雰囲気に。
まず時間の都合で太鼓などの鳴り物が禁止となる。この先を暗示するようにさらにイレギュラーの要素が増える。
また、会場にいたニュートラルな観客が少しざわつく。
ちょうど通路とスタンドの入り口の真下あたりで見ていたのだが、「これは面白くなった」とか「何かが起きるかも」というような会話が次から次へと聞こえてくる。会場はあきらかに判官びいきのような雰囲気が漂ってきた。
湘南側からすれば、こんなはずではという思いがあったはず。
しかしその楽観した気持ちが徐々に焦りを生む。
典型的な番狂わせのパターンに思う。冒頭に会場の雰囲気が影響するといったのはそういうことだ。
延長に入っても、湘南がボールを支配し山雅のカウンターという構図は変わらない。
しかしこの頃になると湘南のシュートが入らないという確信めいたものが沸いてくる。
決定的シュートもGK原が弾き、結局1-1のままPK戦に。
PK戦は3人目川田が外し5人目に突入。決めれば勝ち上がりとなる湘南5人目を原がギリギリで触り阻止。
山雅は5人目矢畑が決めてサドンデスへ。
もうPKまで決め切れなくては流れは決まっていた。
湘南が6人目を外し、山雅は小澤が右隅に決めてアップセット完了。
この日唯一のアップセットは、唯一のナイトゲームの中、天皇杯3回戦としては多くの観客のもと起こった。
山雅サポの中には泣いている人もいたが、不思議と平静だった。
小澤がボールを置いた時点でPK勝ちは確信していたし、後半くらいから湘南のシュートが入らない予感がしていた。
前日まで全くなかった番狂わせの予感が、当日のその場でさも当然のように受けとめられたのが不思議だった。
この試合を勝ち上がった山雅は4回戦でヴィッセル神戸と対戦。8-0と大敗も大きな印象を残して大会を去った。
そして天皇杯の後、地域リーグ決勝大会への繰上げ出場、そして敗退と「これぞ山雅」というジェットコースターのシーズンを送ることになった。
第88回 天皇杯全日本サッカー選手権大会3回戦
湘南ベルマーレ 1-1(PK4-5) 松本山雅FC
2008.10.12 at Hiratsuka Atheletic Stadium
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Posted by scrumhalf at 15:28│Comments(1)
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この記事へのコメント
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Posted by ブログクリップ事務局 at 2009年10月12日 14:17