ディーノ、ディーノ
2006.5.7 松本山雅FC VS JAPANサッカーカレッジ
「ただいまの得点は、松本山雅FC 大野恭稔選手の得点でした!」
普通なら何ら不思議はない得点コールがアルウィンのスタジアムに響き渡った。
ただこのコールが少し変わっていたのは、スコアラーのポジションがゴールキーパーだったことである。
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この日のアルウィンは「風のアルウィン」の異名どおり、強風に見舞われた。
前半は風上のJSCがゲームを支配した。
しかもなぜか強風のたびにナイーブな試合をする伝統が山雅にはあった。
スコアレスのまま迎えた後半。ややJSCペースかという展開。前半と変わらなかった展開がいきなり動く。本当にいきなり。
相手キーパーからのフィードが山雅のDFへ。それをそのままGKの大野へバックパス。
大野はそのボールを前線へ大きくフィード。
しかし風に乗ったボールは山雅の選手を大きく越えて、相手GKへ渡る……ように見えた。
風に乗ったボールが大野にとって狙いとは違う軌道を描いたように、相手のGKにも想像と違う動きになったようだ。
ペナルティエリアの入り口付近で跳ねたボールは、バウンドしたあとも風に乗りGKの頭を越えてJSCゴールに吸い込まれた。
GKの得点を映像では見たことがあるが、さすがにリアルタイムでは初。ゴールキーパーに味方選手が駆け寄る姿は何か不思議だった。
思わぬ形で先制した松本山雅FCは、その後もJSCにボールを支配されるもゴールは割らせなかった。
このまま1-0の勝利が見えていたロスタイム、JSCにフリーキックが与えられた。
ゴールにふわりとあがったキックを大野はパンチングにいった。
しかし今度は風に戻され自分の目測よりだいぶ手前にボールがあった。
パンチングできなかったボールは、ゴール中央の混戦にそのまま流れ、山雅の選手にあたったボールはそのままゴールに吸い込まれた。
1-1。この数プレー後、終了の笛がなった。
風に振り回された両GK。大野にしてみれば天国から地獄に落ちる気分だったかもしれない。
この年の優勝はJSC。準優勝は松本山雅で勝ち点差は1。
印象的なゴールとともにターニングポイントなった一戦だった。
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その大野恭稔が11人制のサッカーを引退を表明した。
これからはフットサルに転校。Fリーグ入りを目指す。
レギュラーを獲得していた中での挑戦。かなり勇気のいる決断だったと思う。
これからの活躍を期待しています。
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第32回 北信越フットボールリーグ1部 第5節
松本山雅FC 1-1 JAPANサッカーカレッジ
2009.5.24 at Alwin(1,280人)