旬の話題でいえばAOKIのスポンサー撤退について書くほうがタイムリーなんだろうが、スルーできそうもない話題があった。
サポティスタに貼られていた「長野が飛び級選手を使わなくなった理由」についてである。
元ネタは「プロパガンダファクトリー」のユース・アウォーズ2008で菊池大介(湘南ベルマーレ)について書かれたコメントの一部。
要は菊池の世代の選手を国体で飛び級で選抜したら、その選手はすべて県外に出てしまい、それ以来飛び級を使用しなくなったということである。
個人的には飛び級で選ばれようが選ばれまいが、可能性を求めた選手は県外に出てしまうのが長野県の現状であるように見える。だから飛び級をしようがしまいが、結局のところ同じことだと思う。(だから優秀な選手がいればやればいいと思う)
問題は県内の高校世代のサッカーが全国的に見たときに魅力がないこと。
高校選手権の代表はトーナメントの1、2回戦で負けることが多い。全国的なレベルは低い中、よりよい環境を求めれば県外に出てしまう。
それでも選手権は、最近強い高校が分散し切磋琢磨の中、高校間でリーグ戦などが行われ、少しずつレベルをあげているように感じる。
悲惨なのはクラブチーム。
現在ユース世代のクラブチームは松本山雅U-18のみ。ライバルもないまま、そのまま全国大会の予選にのぞんでいるのが現状。その北信越予選に出ると一つだけ頭の飛びぬけたアルビレックス新潟ユースというチームがある。なかなか緊張感のある試合を経験できないまま高校世代が終わる。
すべての高校生が有力校に進学とは限らない現状で、クラブチームがこの状況というのはさびしいと言うしかない。
この現状では、プロを目指す選手が高校世代に長野に残る選択をするというのは難しい。
この高校世代のレベルアップの方策をたてること、もう一つ中学生・高校生の女子サッカー選手のプレー環境の整備。この2点は長野県サッカー協会が取り組むべき優先度の高い命題だと思う。
個人的に、県協会はJリーグチームを県内に誕生させる活動よりも重要だと思う。松本山雅FC、AC長野パルセイロとJを目指す宣言をして活動しているチームが出てきており、クラブとしてあがっていく可能性があるなら、現段階では県協会として後方支援のような形で充分だと思う。
しかしながら次世代を見据える上記2点に関しては、今からでも取り掛からなければならない問題だと思う。
高校サッカーは述べたので、女子サッカーを少しだけ。
小学生のサッカーに関わるとわかるのだが、4年生くらいから男子に混じってサッカーをする人数が徐々にすくなくなっていく。このころから体力差が出てきて女子チームに入っていく子供が増える。
そして中学生になると、中学生のカテゴリーではなく、U-18や大人のシニアチームに混ざらないといけないというのが多いらしい。
もちろん実力をつけるために大人に混じるのは構わないが、レベルがかけ離れてしまっては効果がない。ステップアップしていく段階が踏めていないのだから。
中学・高校では部活がない状態で、男子に混じるにも学校単位では厳しいだろう。
これは思いつきでしかないのだが、北信、東信、中信、南信の4地域で定期的に練習できないものだろうか。継続できる頻度を考えて月2回くらいからでも。
そしてその4地域で対抗戦を半年に1回くらい行う。
ラグビーをやっている人ならわかるが、州代表や地域代表のイメージだ。
選抜なら、それ以外に定期的にU-18に所属しているチームがあってもいいし、普段他の部活をやっていたって構わない。むしろ他のスポーツをやっているほうが、優秀な選手を生み出すにはプラスになるはず。
思いつきの地域選抜がいいかどうかは別にして、各チームでU-15チームが頓挫している現状では、協会としてなんらかのアクションや方針を打ち出す必要があると思う。
繰り返しになるが、高校世代のレベルアップと中高世代の女子サッカーの環境整備は、県協会ひいてはサッカー関係者すべてが考えていかなければならない問題だと感じている。