学校の運動会が重なったせいで、1469人といつもより若干少なめのアルウィン。
上位カテゴリーのJFLチームが相手だったが、チャンレンジャー精神という雰囲気はなかった。
ゲームは開始30秒にDFが相手にプレゼントパスをして、シュートを打たれた。
嫌なイメージがよぎるがそれ以降は完全にボールを支配。押し気味に試合をすすめる。
しかし刈谷もカウンターが得意なのか、ときおり鋭いカウンターを見せる。
特に相手を追い越し、スペースを作りそれを有効に使う動きは見事だった。
ただいかんせんそこにパスがこない。さらにシュートも枠に飛ばない。
カウンターの動きは怖かったのだが、時間が経つにつれ「これは点を取られない」という奇妙な安心感が生まれてきた。
ひょっとしたら選手もそうだったかもしれない。
前半25分までに柿本がサイドからクロスを2回惜しいヘディンシュートを放つ。
そして28分に左サイドから大西のクロスをダイビングヘッド。難しいシュートだったが三度目の正直でネットを揺らす。
これ以降もボールを支配して押し気味に試合を進め、危ない場面もいくつかあったが、90分終わるまで安心感が消えることもなく、終了のホイッスルもさも当然とばかりにリーグ戦よりも小さな喜びで迎えた。
坂本はいい時期を思い出したか、個人的にMOMに推したい。
相手のチャンスになりそうな場面で1対1で何度も潰し、さらにはロングボールでチャンスを演出。大西へ何度も好パスを通した。
オフサイドで取り消されたゴールも坂本から。大西の動きもすごかったのだが、大西のほしいタイミングで正確に出したパスは見事だった。
斎藤も8月以降調子を上げ、完全にゲームの主役の一人だった。
しかもこの日の斎藤は、前線へのパスがGood。大きなサイドチェンジのパスでチャンスを作りだすなど、いつもと違った貢献も見せ、こちらもMOM級の働き。
さらにタクヤが90分公式戦の舞台で無難にプレーをし、緊張感のある場面で新戦力もテストできた。
中田はボール奪取からのスルーパスや終了間際にクロスバーにあてたフリーキックなど才能を見せてくれた。
鐡戸も今日はあまり審判に食いつくシーンもなく、プレーはいつもどおりのフル回転。
全体的にマイナスを指摘することがあまりないスコア以上の内容だった。
これで10月11日に行われる2回戦に進出。相手は浦和レッズ。
大変なことになってきた。
地域リーグでは日本一といわれるサポーターとその観客動員。
しかし相手はJリーグの中でも飛びぬけたサポーターと観客動員を誇る浦和レッズ。
おそらく山雅にとっては初体験の相手サポーターが多いホームゲームというシチュエーション。
チームとしてもサポーターとしても目指すものを目の前で確認するまたとない機会。
知名度UP、新規観客の獲得、そして全社に向けた最高のトレーニングマッチ。
計り知れないプラス要素を手にいれることができた2回戦進出。
この好材料を苦もなく手に入れた感のある昨日の1回戦は、チームの成長を実感できたあまりに贅沢な一日だった。
第89回 天皇杯全日本サッカー選手権大会1回戦
松本山雅FC 1-0 FC刈谷
2009.9.19 at Alwin(1,469人)